住人の好みと状況を理解するスマートホーム「CASPAR」

(1)外出先からスマホで操作できるスマートホームから一歩先へ

「CASPAR、ムービーモードにして」と女性が呼びかけると、部屋の照明が暗くなり、ロールカーテンが下がり、廊下の照明もまぶしくない程度まで薄暗くされる。

「彼女には4日ほどここで暮らしてもらったので声も学習されていて、私が呼びかけるよりもしっかりと指示が通ります。また、人によって違う好みも学習するので、『おはよう』と呼びかけてロールカーテンが全部あがるのを半分下げるということを3日ほど繰り返せば、自動的にそう開くようになります」と語るのは、代表取締役 小暮学氏だ。

インヴァランス 代表取締役 小暮学氏

インヴァランスは2004年に創業した、投資不動産専門のデベロッパーだ。マンション開発から各種手続き、契約後のアフターフォローまで、 マンション投資に関連するあらゆるシーンで独自サービスを提供する業者として、東京23区内ですでに100棟程度のマンションを手がけてきた。

同社は10月2日、新たな戦略として本格的にIoT事業に参入することを発表するとともに、その第一弾として、米国のAI開発ベンチャー企業米Brain of Things(BoT)社に出資することを発表した。

スマートホームサービス「alyssa.」

同社が2014年から自社物件向けに開発してきたのが、スマートホームサービス「alyssa.」だ。入居者はスマートフォンからアプリを利用して、照明、エアコン、鍵、床暖房、風呂の給湯といった操作を外出先からも行える。さらに入居者と管理会社とのコミュニケーションツールや投資情報等を配信するメディアとしての側面も持ったサービスだ。

同社は今後、本格的にIoTに参入し、さまざまなデータの収集・分析・活用をすることで、より良い住環境の提供はのほか、不動産価値の向上に繋げていきたいとしている。

インヴァランスは、自社物件にBoT社のAIスマートホームCASPARを導入することにより、BoT社の日本でのスマートホーム開発を支援。これにともない、東京都港区の自社ブランドマンション「LUXUDEAR高輪」にて、POC(Proof of Concept)を実施している。

東京都港区の自社ブランドマンション「LUXUDEAR高輪」

「LUXUDEAR高輪」の室内

「最新の物件ではインターフォンとも連動し、外出先から宅配便業者等への対応ができるようになっています。495戸に導入済で、アプリをダウンロードして登録した入居者の92%が使い続けているほど継続的利用者の多いサービスです」(小暮氏)

現在、スマートフォンから操作できる家電製品は増えてきている。しかし、各社が独自のアプリを用意しているため、活用しようとすると複数のアプリをインストールして使い分けなければならない状態だ。さらに給湯などに関しては法規制により、後付けで機能を提供することはできない。家に関する多くのコントロールを1アプリから行えるサービスが提供できるのは、デベロッパーならではのサービスだ。

家全体をトータルでコントロールできるスマートホーム

「alyssa.」の次期バージョンに向けて、物件に組み込めるゲートウェイも開発している。これは、JEM-A/IR/Z-Wave/ZigBee/Bluetooth/Wi-Fiといったスマートホームに必要となるすべての通信規格に対応したものだ。

「各種家電をコントロールするアプリを使い分けるのはもちろん、たとえば照明をコントロールするためにリビングや寝室などでそれぞれペアリング動作を繰り返してユーザーが使い分けるというのは現実的ではありません。このプラットフォームを利用すれば、市販の各種通信規格に対応した家電も一括してコントロール可能になります」と意欲的な取り組みを語る小暮氏だが、「しかし、それはあくまでもスイッチが手元に来ているだけ。次に狙っているのが、スイッチをAIが動かすということです」と同氏は語る。

FOUNDER & CEOであるASUTOSH SAXENA氏

インヴァランスが新たに注力を決定したのがIoTの分野で、最初のパートナーとして選んだのが、冒頭で紹介した「CASPAR」を提供しているBrain of Thingsだ。2015年に創業したスタートアップ企業だが、米国ではすでに200戸以上のCASPAR導入物件があるという。

FOUNDER & CEOであるASUTOSH SAXENA氏は「スマートホームという、トータルの住空間環境を提供することを目的としています。入居者に対してユニークな体験を提供するシステムです」と語る。

※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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